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「金やプラチナを売ろう」と決めたとき、多くの方が最初に調べるのは「どこの店がいいか」です。
ですが査定の現場から見ると、その前に決めておいたほうが早いことがあります。「どの方法で売るか」です。買取には店頭・宅配・出張の3つの方法があり、品物の量と重さで向き不向きがはっきり分かれます。方法が決まれば候補は自然に絞れますが、逆に店選びから始めると「送れない量だった」「一人では運べなかった」と後戻りすることになります。
この記事では、買取業界11年・査定1万件超の経験から、3つの方法の違いと選び方、それぞれで気をつけたい点を整理します。
✅ この記事でわかること
- 店頭・宅配・出張の3つの方法の違い
- 自分の品物に合う方法の選び方(判断は「点数」と「重さ」)
- 出張買取が法律で守られている部分(クーリング・オフ)
- 査定士から見て「損をしやすい出し方」4つ
買取には3つの方法がある
まず全体像を確認しましょう。買取の方法は、大きく次の3つに分かれます。

図の下段に並べたのは、それぞれの制約です。ここを先に見てください。店頭は「持ち運べる範囲まで」、宅配は「数日から1週間かかる」、出張は「日程の調整が必要」。この制約が、そのまま選び方の基準になります。
逆に言えば、上段の利点だけを比べても選べません。「その日に現金化できる」のは店頭の魅力ですが、段ボール3箱ぶんの遺品を店まで運べるかどうかは別の話です。
「どの方法が一番高いですか」という質問について
これは現場で本当によく聞かれる質問です。先にお答えします。
同じ品物であれば、査定の基準そのものは方法によって変わりません。秤に載せて重さを量り、刻印を確認し、検査機にかける。店頭でも宅配でも出張でも、私たちがやっていることは同じです。方法によって変わるのは手間と時間のほうです。
ですので、方法選びは「どれが得か」で悩む必要がありません。自分の生活に合うほうを選んでいいのです。ここが分かると、選択がぐっと楽になります。
💡 ひとつだけ補足
業者によっては、宅配限定・出張限定のキャンペーンを設けている場合があります。そこは各社の案内を確認してください。ただしそれは業者ごとの施策であって、査定の仕組みの違いではありません。
選び方は「点数」と「重さ」でほぼ決まる
では何で決めるのか。実務的には、この2つだけ数えれば十分です。

指輪やネックレスが数点なら、ポケットに入る量です。店頭でその日に終わります。一方、タンスの引き出しごと・仏壇ごと・箱ごとという規模になると、運搬そのものが問題になります。ここが出張の出番です。
最後の行の「まず金額だけ知りたい」は、どの方法でも成り立ちます。査定は無料が基本で、金額を聞いてから売る・売らないを決められます。査定だけ受けて持ち帰るお客様は、実際に普通にいらっしゃいます。
店頭買取 ― その日に終わらせたい人に
店頭のいちばんの価値は、実は現金化の速さではありません。査定の過程を目の前で見られることです。
秤の数字、刻印を確認するルーペ、比重や検査機による測定。何を根拠にその金額になったのかを、その場で聞けます。金額に納得できないときも、どこを見てそうなったのかが分かれば判断しやすくなります。

実際の作業はこういう地味なものです。当社で査定したネックレスを、定規に沿わせて長さを測っているところです。重さ・刻印・寸法・状態を、ひとつずつ数字と記録に落としていきます。
店頭のいいところは、この工程をお客様が横で見ていられることです。金額だけを聞かされるのと、何をどう確認した結果なのかを見たうえで聞くのとでは、納得のしかたが変わります。
査定士が実際にどこを見ているかは、こちらで詳しく解説しています → 金の査定で査定士は何を見ている?プロが確認する6つのポイント
💡 持って行くもの
本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)を忘れないでください。買取業者は古物営業法にもとづいて取引相手の確認を行うため、実務上ほぼすべての買取で身分証の提示を求められます。未成年の方の取扱いは業者ごとに異なるので、事前の確認をおすすめします。
その日のうちに終わらせたい場合は、来店予約から
店頭は、査定を目の前で見て、その場で結論を出せる方法です。混雑を避けたい方や待ち時間を減らしたい方は、来店の予約を入れてから向かうと落ち着いて話せます。予約の時点で売却が決まるわけではありませんので、金額を聞いてから判断していただけます。
▼ 店頭買取の予約ページはこちらです
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宅配買取 ― 近くに店がない人に
宅配は「近くに買取店がない」「平日に外出しにくい」という方の現実的な選択肢です。梱包して送るだけで完結します。
ただし品物が自分の手元を離れるので、送る前にやっておくとよいことが3つあります。
- 送る品物を並べて、写真を1枚撮っておく: 点数と状態の記録になります。あとで確認したいことが出たときに役立ちます
- 返送料とキャンセル時の条件を、申し込む前に確認する: 「査定額に納得できなければ返してもらう」場合の送料負担は業者ごとに違います。ここは事前に読んでおく価値があります
- 小さいものは個別に包む: 指輪やピアスは輸送中に紛れやすいので、小袋やラップで分けておくと安心です
💡 チェーンが絡まっていても大丈夫です
ネックレスが絡まっていても、切れていても、地金の価値は重量で決まるので査定に影響しません。無理にほどこうとして切ってしまうより、そのまま送ったほうが安全です。
送る前に、返送条件と申込の流れを確かめておく
宅配は梱包キットの取り寄せから始まります。上に挙げた3つの準備のうち「返送料とキャンセル時の条件」は業者ごとに違うため、申し込む前に各社の案内で確認してください。手元を離れる方法だからこそ、条件を読んでから送るのが安心です。
▼ 指輪・ネックレスなどの宅配買取は、コメ兵の品目別ページから申し込めます
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出張買取 ― 法律で守られている部分があります
出張買取は、遺品整理や量が多い場合の選択肢です。そして3つの方法のなかで、消費者の保護がもっとも厚い方法でもあります。ここはあまり知られていないので、詳しく書きます。
自宅などを訪問して物品を買い取る取引は、特定商取引法の「訪問購入」にあたります(貴金属・宝石類は対象品目に含まれます)。この場合、売る側には次の権利があります。
- 8日間のクーリング・オフ: 契約書面を受け取った日から8日間は、理由を問わず契約を解除できます
- 物品の引渡しを拒む権利: クーリング・オフ期間中は、「まだ渡さない」と言えます
- 不招請勧誘の禁止: 頼んでいないのに突然訪問して買取を勧めることは禁止されています
- 書面の交付義務: 業者は契約時に必要事項を記載した書面を渡さなければなりません
「その場で決めなければいけない」わけではない、という点を知っておいてください。売ってから8日間、考え直す時間が法律で確保されています。
現場からの助言を2つ。できればご家族と一緒に立ち会ってください。判断を一人で抱えないほうが落ち着いて話せます。もう一つは、売る気のないものは別の部屋に移しておくこと。声をかけられても迷わずに済みます。
量が多い・重い・自宅から動けない場合
出張査定なら、品物を運ぶ必要がありません。遺品整理でまとめて見てもらいたい場合や、一人では持ち運べない量がある場合に向いています。査定額を聞いてから売却を判断できます。
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査定士から見て「損をしやすい出し方」4つ
方法の話が済んだので、ここからは中身の話です。査定を1万件見てきて、「もったいない」と感じる出し方には共通のパターンがあります。
① 自分で「価値がない」と判断して外してしまう
これがいちばん多いです。壊れたチェーン、石が取れた指輪、片方だけのイヤリング。アクセサリーとして使えないことと、価値がないことは別です。地金は重さで評価されるので、壊れていても関係ありません。
→ 「古い指輪だから売れない」は誤解|遺品ジュエリーの価値は3つの足し算で決まる
② 「メッキだろう」と思い込んで捨ててしまう
反対のパターンもあります。金色に見えるだけのメッキ製品を大事に持ってこられる方と、本物の金製品をメッキだと思って処分しかけていた方。どちらも実際にいらっしゃいます。刻印には見分ける手がかりがあります。
→ 「K18GP」は金として売れる?金メッキ・金張りの刻印一覧と見分け方
③ 刻印を自分で読んで諦めてしまう
「18K」と書いてあるのに正規の18金ではないケース、「Pm」のように現在ほとんど使われない表記。刻印は情報の入口ですが、刻印だけで最終判断はできません。読めなかった・見慣れない表記だったという理由で諦める必要はありません。
→ 「K18」と「18K」は違う?金の刻印の読み方と見分け方【早見表つき】
→ プラチナの刻印一覧|「Pt」だけ・「Pm」・Pt100はどう査定される?
④ 付属品を家に置いてくる・自分で磨いてしまう
時計は特にそうです。箱と保証書があるかどうかで評価が変わります。あるなら必ず一緒にが鉄則です。
もうひとつ。売る前に自分で磨くのは、おすすめしません。金やプラチナの地金は重量で評価するので磨いても影響はありませんが、ブランドジュエリーや時計の場合、研磨によって細かい傷が増えたり、本来の仕上げが失われたりすることがあります。汚れは業者側で対応できるので、そのまま持ってきていただくのが無難です。
→ 時計を売る前にオーバーホールは必要?査定への影響を現役バイヤーが解説
相見積もりは取るべきか ― 正直に答えます
「何社も回ったほうがいい」とよく言われます。ただ実務の感覚では、品目によって答えが変わります。
地金がメインの品物(金・プラチナのアクセサリー、切れたチェーンなど)
→ 相場をもとに計算する部分が大きいため、業者間の差は比較的小さくなりやすいです。点数が少ないなら1〜2社で十分なことが多いです。
ブランド品・時計・宝石
→ 業者の得意分野や販売ルートで差が出やすい領域です。ここは複数見てみる価値があります。
何社も回れば理屈のうえでは有利ですが、移動と待ち時間というコストも実際にかかります。「点数が少ない地金なら1〜2社、時計やブランド品なら複数」くらいが、現実的な落としどころだと思います。
まとめ
- 方法は店頭・宅配・出張の3つ。点数と重さで選べばほぼ間違いない
- 同じ品物なら査定の基準は方法で変わらない。生活に合うほうを選んでよい
- 出張買取には8日間のクーリング・オフがある。その場で決めなくてよい
- いちばん多い損は「自分で価値がないと判断して外すこと」
- 査定は無料が基本。金額を聞いてから決められる
迷ったら、まず手元にあるものを全部並べて数えてみてください。点数と重さが分かれば、選ぶ方法は自然に決まります。
3つの方法を、もう一度並べて比べる
自分に近い列を選んで、そこから申し込んでみてください。どの方法でも査定は無料が基本で、金額を聞いてから売る・売らないを決められます。
※上記は広告です。査定は無料で、金額を聞いてから売却を判断できます。手数料・返送条件は各社の案内をご確認ください。
よくある質問
Q. 査定額に納得できなかったら、断れますか?
A. 断れます。査定は金額を確認するための手続きで、売却の約束ではありません。出張買取の場合は、契約したあとでも書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフが法律で認められています。
Q. 査定に費用はかかりますか?
A. 無料としている業者が一般的です。出張の場合の出張費や、宅配で売却しなかったときの返送料の扱いは業者ごとに異なるため、申し込む前に各社の案内を確認してください。
Q. 仕分けしてから持ち込むべきですか?
A. 仕分けは不要です。金かどうか分からないものが混ざっていても、査定士が仕分けながら見ていきます。むしろ自己判断で除くほうが、価値のあるものを取りこぼす原因になります。箱ごとまとめてお出しください。
Q. 亡くなった家族の品物を売るとき、何が必要ですか?
A. 買取の手続き自体は、持ち込む方の本人確認書類があれば進められるのが一般的です。ただし相続人が複数いる場合は、売却について事前に家族で話をまとめておくほうが、あとで揉めずに済みます。金額が大きくなりそうなときは、税務の扱いも含めて専門家に相談すると安心です。
Q. 宅配で送ったあと、査定額に納得できなければ返してもらえますか?
A. 返却に応じている業者が一般的です。ただし返送料をどちらが負担するかは業者ごとに異なります。送る前に「キャンセル時の返送料」の記載を確認しておくと、あとで迷わずに済みます。
この記事を書いた人: イニカ
買取業界歴11年・査定件数1万件超の現役バイヤー。金・貴金属と高級時計の査定が専門。実際の査定経験に基づいて、買取の仕組みをわかりやすく解説しています。
本記事の内容は執筆時点(2026年7月27日)の法令および筆者の実務経験に基づきます。個別の品物の価値や、各業者のサービス内容を保証するものではありません。手数料や返送条件は各社の案内をご確認ください。


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