銀の刻印一覧|「925」「SILVERのみ」「洋銀」は査定でどう扱われるか

金・貴金属

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金とプラチナについては、これまでいくつか記事を書いてきました。今回は銀(シルバー)です。

正直に言うと、銀はお客様の期待と査定額の差がいちばん大きい金属です。「シルバーだから、そこそこの値段はつくだろう」と思って持ち込まれ、金額を聞いて驚かれる。査定の現場で何度も見てきた場面です。

だからこそ、先に本当のところをお伝えしておきたいと思います。この記事では、銀の刻印の読み方と、銀が査定でどう扱われるのかを、期待値を上げも下げもせずに書きます。

✅ この記事でわかること

  • 銀の刻印一覧(925・950・999・STERLING)の意味
  • 「SILVER」としか書いていない品物の扱い
  • 「洋銀」「ニッケルシルバー」は銀ではないという重要な誤解
  • 銀と金の単価が「桁違い」である現実
  • それでも査定に出す価値があるケース

銀の刻印は「数字があるかどうか」で見る

まず全体像です。銀の刻印は、大きく2つのグループに分かれます。

銀として評価される刻印と、注意が必要な刻印の一覧
左が銀として評価される刻印、右は銀を含まない可能性がある表示です

見分け方はシンプルで、純度を示す3桁の数字があるかどうかです。925・950・999といった数字は、千分率で銀の含有量を示しています。この数字があれば、銀として評価する土台があります。

いちばん多いのは「925」と「STERLING」

持ち込まれる銀製品のほとんどが、この刻印です。

ジョージ・ジェンセンの銀ペンダント裏面。「925 S」刻印と年号のクローズアップ
裏面の「925 S」。上の楕円はジョージ・ジェンセン(GEORG JENSEN)のブランド刻印です

当社で査定したペンダントの裏面です。中央下に「925 S」と読めます。この3桁の数字が、銀として評価する土台になります。

もうひとつ見ていただきたいのが、その上の「2001」です。これは純度ではなく、ジョージ・ジェンセンが年ごとのモデルに入れている年号です。刻印されている数字が、すべて純度を表しているわけではありません。925・950・999といった「銀の純度としてあり得る数字」かどうかで見てください。

  • 925 / STERLING(スターリング): 銀92.5%。世界的な標準規格で、アクセサリーの大半がこれです
  • 950: 銀95%。925より柔らかいため、装飾性の高いものに使われます
  • 999 / 1000: 純銀。銀の延べ棒(インゴット)や記念品に多い表記です
  • 900: 銀90%。コインシルバーとも呼ばれ、古い銀貨や食器に見られます

💡 なぜ純銀(999)ではなく925が主流なのか

純度100%に近い銀は柔らかすぎて変形してしまうためです。銅などを7.5%混ぜて強度を出したものが925(スターリングシルバー)です。金のK18が純金より扱いやすいのと同じ理屈です。

金の刻印の考え方については、こちらで詳しく解説しています → 「K18」と「18K」は違う?金の刻印の読み方と見分け方【早見表つき】

「SILVER」とだけ書いてある場合

ここからが注意点です。「SILVER」という文字はあるのに、数字がない。この刻印はよく持ち込まれます。

この場合、純度が表示されていないということになります。銀が含まれていても純度が低いもの、あるいは銀メッキで表面だけ銀というものが混ざります。数字の刻印がある製品と同じ扱いにはできません。

査定士イニカ

とはいえ、「SILVER」だから価値がない、と決めつけるのも違います。刻印は手がかりであって証明ではありません。実際には現物を検査して判断します。自己判断で処分してしまう前に、一度見せていただくのが確実です。

「洋銀」「ニッケルシルバー」は銀ではありません

これはぜひ知っておいていただきたい点です。名前に「銀」「シルバー」と入っているのに、銀をまったく含まない素材があります。

  • 洋銀 / 洋白 / NS(ニッケルシルバー): 銅・ニッケル・亜鉛の合金です。銀色をしていますが、銀は入っていません
  • EPNS: 「Electro Plated Nickel Silver」の略。洋白の土台に銀メッキを施したものです。表面だけが銀になります

洋銀は、古い食器やカトラリー、トロフィー、楽器の部品などによく使われています。「祖父の代からある銀食器」として大切にされてきたものが、実は洋銀だった——というのは、めずらしい話ではありません。

💡 メッキの考え方は金と同じです

金の世界で「GP」「GF」が金メッキ・金張りを意味するのと、まったく同じ構造です。表面の素材と、中身の素材は別だということです。

金メッキの刻印については、こちらにまとめています → 「K18GP」は金として売れる?金メッキ・金張りの刻印一覧と見分け方

正直に言うと、銀は金と単価が桁違いです

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

金・プラチナ・銀の1グラムあたりの単価の差を示した図
単価の差のイメージです。実際の比率は相場によって変わります

同じ1グラムでも、銀は金と比べて何十分の一という水準になります。これは業者による違いではなく、金属そのものの相場の差です。どこに持ち込んでも、この前提は変わりません。

つまり、銀のアクセサリー1点や2点では、金額としてはどうしても小さくなります。指輪1つ、ネックレス1本という単位だと、期待していた金額には届かないことがほとんどです。

デジタル秤に載せた銀のペンダントネックレス。表示は11.1g
ペンダントとチェーンで11.1g。銀としては、これでも「軽い」部類です

実際に量ってみるとこうです。ペンダントとチェーンを合わせて11.1g。手に持つとそれなりの存在感がありますが、銀の地金として計算すると、この重さでも金額はごく小さくなります。先ほどの単価の差が、そのまま効いてくるからです。

査定士イニカ

これを先にお伝えせずに査定額だけ言うと、お客様は「安く買い叩かれた」と感じられます。でも実際は相場がそうだからなんです。だから私は、銀の品物を出されたとき、金額の前に単価の話をするようにしています。

それでも査定に出す価値があるケース

では銀は出すだけ無駄なのかというと、そんなことはありません。次のような場合は、きちんと意味があります

  • 重量のある銀器: 食器・トレー・燭台・花瓶などは、1点で数百グラム以上あります。単価が低くても、重量がまとまれば金額として成立します
  • まとまった点数がある: アクセサリー1点では小さくても、引き出し1つ分あれば話が変わります
  • 有名メーカーの銀製品: 銀としての価値に加えて、製品としての評価が乗ることがあります
  • 銀貨・記念硬貨: 地金としてではなく、収集対象として評価される場合があります
  • 金やプラチナが混ざっている可能性: 「全部銀だと思っていた箱の中に、金の指輪が入っていた」というのは実際によくあります
シルバーのペンダントネックレスの表面。楕円のトップと専用チェーン
先ほど計量したものと同じ品物です。地金の計算とは別の評価が乗ることがあります

3枚目は、さきほどの「925」「11.1g」と同じ品物の表側です。銀の重さだけで計算すれば、この1本は数千円にも届きません。それでもこの品はジョージ・ジェンセンというブランドの製品なので、状態が保たれていれば、1万円前後の水準で評価されることがあります。

差額は、銀という金属ではなく製品としての評価です。上の一覧に挙げた「有名メーカーの銀製品」とは、まさにこういう品物のことです。

※金額は品物の状態・相場・時期によって変わります。同じ刻印・同じ重さでも同額になるとは限りません。

💡 仕分けはしないでください

最後の項目が理由です。「これは銀だから」と自分で分けてしまうと、混ざっている金やプラチナごと外してしまうことになります。箱ごと、引き出しごとお持ちいただくのがいちばん確実です。

黒ずんだ銀を、自分で磨くべきか

銀は空気中の硫黄分と反応して、表面が黒ずんでいきます。金やプラチナがほとんど変色しないのに対し、これは銀特有の性質です。

「汚いまま出すのは失礼かな」と磨いてから持ってこられる方がいますが、磨かなくて大丈夫です。理由は2つあります。

  • 銀は柔らかいので、研磨剤で削ると目減りします。重量で評価する以上、削ることは減らすことです
  • アンティークの銀器は、いぶし加工が意図的な場合があります。装飾の凹んだ部分をあえて黒く残す仕上げです。ここを磨いてしまうと、製品としての評価が下がることがあります

変色は査定でマイナス材料にはなりません。そのままお持ちください。この「自分で手を加えないほうがいい」という考え方は、時計やブランドジュエリーでも同じです。

まとめ

  • 銀の刻印は3桁の数字があるかどうかで見る。925 / 950 / 999 / 900
  • 「SILVER」だけの表示は純度が保証されていない。ただし決めつけずに検査する
  • 「洋銀」「ニッケルシルバー」「EPNS」は銀ではない
  • 銀の単価は金と桁違いに低い。これは業者の差ではなく相場の差
  • ただし重量のある銀器・まとまった点数なら意味がある
  • 自分で仕分けない・磨かない。混ざっている金を外してしまうのがいちばんの損

箱ごと・引き出しごと、まとめて見てもらう

銀だと思っていたものに金やプラチナが混ざっているかどうかは、並べて検査してみないと分かりません。仕分けずにまとめて査定に出すのがいちばん確実です。査定額を聞いてから、売る・売らないを決められます。

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よくある質問

Q. 「SILVER」としか刻印がないアクセサリーでも見てもらえますか?

A. 見てもらえます。刻印は手がかりであって証明ではないため、最終的には現物の検査で判断します。数字がないという理由だけで自己判断せず、他の品物と一緒にお出しください。

Q. 銀の食器やトレーは買取してもらえますか?

A. 対応している業者であれば可能です。銀器は1点あたりの重量が大きいため、アクセサリーよりも金額になりやすい分類です。ただし洋銀・EPNSの場合は銀としての評価にならないため、刻印を確認してもらってください。

Q. 黒く変色していると査定額は下がりますか?

A. 地金として評価する場合、変色はマイナス材料になりません。銀の性質による自然な現象だからです。むしろ研磨剤で磨くと目減りするため、そのままお持ちいただくのをおすすめします。

Q. 刻印がまったくない銀色の品物はどうなりますか?

A. 刻印がなくても検査で判別できます。銀なのか、洋銀なのか、あるいはステンレスやアルミなのか。見た目だけでは判断が難しい素材なので、まとめて見てもらうのが確実です。


査定士イニカ

この記事を書いた人: イニカ

買取業界歴11年・査定件数1万件超の現役バイヤー。金・貴金属と高級時計の査定が専門。実際の査定経験に基づいて、買取の仕組みをわかりやすく解説しています。

本記事の内容は執筆時点(2026年7月28日)の情報と筆者の実務経験に基づきます。地金相場は日々変動します。個別の品物の価値を保証するものではありません。

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